REWORK

新しい働き方 / 営み方を実践するメディア

あらゆる境界がなく人がつながる、まちづくりに活かすオフィスへ

2018年1月、大手町パークビルディングに移転した三菱地所の新本社は、これまでREWORKで紹介してきた中でも、もっとも大規模なもの。人と人が自然とつながり、コミュニケーションを交わし、新たなアイデアが生まれ続けるオフィスとは? 90%の社員の満足度がアップしたという新本社を訪れてみた。

受付周辺は木と緑を組み合わせ、PARKの大木をイメージ。

コンセプトは「Borderless!×Socializing!」

フロアが点在し、コミュニケーションが取りづらかった大手町ビルヂングから、内部階段でつながれた4フロアの専有部を持つ大手町パークビルディングへ。

移転を決めた理由は、業務効率化による生産性アップや、新たな価値の創造といった、いわゆる「働き方改革」が必要だったこと。そして、働く場所の多様化などオフィス環境の変化を先取りし最先端のオフィスを発信していきたい、三菱地所自身が変わり続けなければならないという想いから。

新しいオフィス「MEC PARK」のコンセプトは「Borderless!×Socializing!」。オフィス全体を公園(PARK)に見立て、「FOREST」「LAKE」「BOULDER」「MUSEUM」「GLAMPLE」といったエリアを設定。それぞれ用途やシーンをイメージして、空間がデザインされている。

3〜6Fまで、4フロアで構成されるオフィスを大きく分けると、3Fには社外との接点として、受付やカフェ、ラウンジをレイアウトし、4〜6Fまでがワークプレイスとなっている。壁や仕切りが少ない“横方向”の交流に、内部階段による“縦方向”の交流が加わり、人が自然に集まってつながる場を目指している。

「SPARKLE」は、社員以外も利用できるコミュニケーションスペース。
ネーミングは、新たなアイデアが“スパーク”し、オフィス内や街に広がってほしいとの願いから。
スマホアプリで会議室からドリンクをオーダーすることもできる。
フロアをつなぐ内部階段。通常より段差が小さく疲れにくい。

「ワークプレイス×食」のあり方を探るカフェテリア。

さて、皇居の開放的な緑が望む受付を抜けオフィスに入ると、そこには「SPARKLE」と名付けられたカフェテリアが。木や石、緑などPARKをイメージした素材が使われた、明るくにぎやかな空間が広がる。

ここは、社員及びグループ社員向けのカフェテリアとしてランチ利用ができるほか、個人ワークは勿論、社員同伴であれば社外を含めたミーティングなど、時間を問わずに使えるスペース。単に食事をするだけの場所ではなく、新たなワークプレイスとしても位置づけられている。

栄養バランスのよい日替わりメニューのほか、朝7時〜8時半は、社員に無料で朝食も提供。三菱地所が丸の内エリアで取り組んできた、さまざまな食関連の取り組みとの連携をはじめ、外部講師を招いた講演会や、イベント、パーティなども開催していくそう。

4Fのワークスペースは、天井がむき出しのラフな仕上げ。
ミーティングも大部分はオープンスペースで。
ローテーブル、ハイテーブル、大小のデスクなどさまざまなスペースを用意。
邪魔されずに個人ワークができる集中ブース。

居場所もコミュニケーションもボーダレス。

4〜6Fのワークスペースは、グループアドレスが部長以下で導入され、役員個室も廃止するなど、まさにボーダレス。個人のワークスタイルと、グループワーク中心の業務スタイルの両立を目指して、部署単位でゆるやかなゾーンを設定している。配置は事前アンケートで決定し、旧本社の一部ではトライアルも行った。

社員は、その日の業務に合わせて、好きな座席・場所を選ぶことができ、役員にもすぐに話しかけることができる。社員一人ひとりにはロッカーが支給され、これまで主に紙をストックしていたキャビネット等は7割も削減されたそう。

また、誰がどこにいるのか把握しづらいという、グループアドレスのデメリットを補完するために、パナソニックとの共同開発で、各社員の社内位置情報が把握できるシステムを導入。社員の居場所だけでなく、カフェテリアや共用スペースの混雑状況も把握することができる。

ミーティングや食事にも使えるラウンジには、ライブラリも併設。
靴を脱いでゆったりくつろげる、小上がりスペース。
文房具やスナック、ドリンクなどを揃えたカウンター「PERCH(止まり木)」。
役員席前にはブースがあり、気軽にプレゼンテーションができる。

床面積は20%削減、共用スペースは約3倍に。

実は、今回の移転で、オフィスの床面積は4500坪から3600坪へ、約20%も減ったそう。それを補うのが共用スペースで、その割合は約3倍に増えている。

カフェテリアやラウンジはもちろん、作業スペースやミーティングスペース、ドリンクカウンターにリラックススペースなどなど。オフィス内のさまざまな場所に、フロアごとのデザインコンセプトに合わせた、多種多様な共用スペースを設けている。

また、三菱地所のテナントでもある、Liquidとのコラボレーションにより、指紋認証によるセキュリティシステムと決済システムを導入。3階のカフェテリアSPARKLEでの食事やドリンク、また執務エリア内で販売しているスナックなどはキャッシュレスで購入することができる。

日立製作所のサービスロボット「EMIEW3」が、オフィスをご案内。

ショールームであり、まちづくりにもつながる実証の場。

他にも、サテライトオフィスなどを利用した「テレワーク制度」、「仮眠(Power-nap)制度」、業務終了から開始まで一定の時間を空ける「インターバル勤務制度」といった施策も。あわせてITインフラの整備なども行われ、いつでもどこでも、自由な働き方ができる環境を実現している。

すでに紹介した指紋認証によるセキュリティ・決済システムや位置情報システムのほか、受付にはサービスロボットを置くなど、最先端の技術の「実証実験の場」と位置づけているのも大きな特徴。もしかすると将来、丸の内の街では、手ぶらで食事や買い物が楽しめるようになるかもしれない。

三菱地所にとって、本社移転はあくまでスタート。このオフィスで得た価値を、人(顧客・社員)や新しいビル、まちづくりへ還元していきたいという。新本社はショールームとしての役割もあり、三菱地所のビルに移転を検討しているクライアント、既存のテナントなどに向けた、見学ツアーも実施中。興味がある人は、ぜひ訪れてみては?

information

三菱地所

オフィスビルや住宅、商業施設をはじめとする不動産開発を通じたまちづくりのリーディングカンパニー。2018年1月に「大手町ビルヂング」から「大手町パークビルディング」に本社を移転。

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