浅草橋にあるシェアオフィス「Un.C. -Under Construction-」。REWORKをはじめるきっかけにもなったこのオフィスは新しい働き方を試すいわば実験場。この連載コラムでは、Un.C.を運営する中で発見したこれからのオフィス環境の可能性をレポートしてきたが、今回で最終回。通常のオフィスとしてだけでなく、イベントスペースなどとして使わるUn.C.の姿、そして常に変わり続ける環境についてを紹介する。
Un.C.では、定期的にさまざまなイベントを開催している。ちょっとした昼食会のようなものから、外部からお客さんを招いてのトークショーなどさまざまだ。
シェアオフィス全体としてのイベントだけでなく、メンバーそれぞれが行う個別のイベントも申請をすることで可能になっている。そこに参加しなくとも、様子が伺えるので他のメンバーがどういった仕事をしているかがなんとなく知ることができる。また、メンバー間の交流を促すため、お花見や餅つきなどの季節ごとのイベントも積極的に企画・実行している。続けていくごとに少しずつそれぞれが知り合い、仲良くなっていくのが分かるので、こうしたきっかけづくりをコンスタントに行うことがシェアオフィス運営ではとても重要なことだと気付かされる。
こうした場を持っていることで、シェアオフィス内だけでなく、同じビルのテナントとの繋がりも生まれた。別コラムでも紹介済みだが、「Player’s Table」というビル全体のイベントをUn.C.にて行ったのだ。詳しくはこちら当日はケータリングの素敵なフードでキッチンが埋め尽くされ、皆が笑顔に包まれたのが印象的だった。
実はこのイベントだけでなく、もっと小さな交流もちょっとしたことから起こっている。例えば、料理をしたい他テナントの方にキッチン設備を貸し出したり、ジョギングが趣味の方にシャワールームを貸し出したり。スペースを貸し借りすることで、他テナントの人たちと繋がることが起こり始めたのだ。
専有をするだけでなく、場合によってはシェアをすることを合理的だという考え方。そしてそれによる人のつながりを価値として捉えること。おそらく、今の世代のワーカーは、SNSやシェアの概念が自然と備わっている人がほとんど。それ故に、こうしたことが自然に起こりうるのではないかと感じている。
Un.C.では、定期的にシェアメンバーを集めて、オフィスの課題やより良くするためのアイディアについて話し合う機会を設けている。
与えられた環境を使うだけではなく、それぞれが主体的にオフィスづくりに参加してもらうような試みだ。そしてそこで出た意見を踏まえ、新たな機能をつくり出すことも行っている。例えば、ちょっと込み入った電話をしたり、Skype等のオンラインでのやりとりを行える場所があるといい、との要望があり、実際に制作をしたのがフォンブース。それもただの箱のようなブースをつくるだけでは面白くないので、そこは一工夫して使われなくなったクレーンゲーム機を改造したブースにしてみた。名付けて「TELEPHONE CATCHER」。
運用をするなかで、必要なニーズや機能を見出しながら、新たにオフィスの要素として加えていき、常に変わり続けるオフィスであること。今後もUnder Constructionの名前通り、「いつも工事中」であり続け、進化していくオフィスでありたい。