REWORK

新しい働き方 / 営み方を実践するメディア

誰でも自由に来て、自由に使える。すべてがシェア可能なコミュニティビル。

ソーシャルメディア運営やシェアリングエコノミー事業などを手がける、ガイアックスのオフィスは「誰でも自由に来て、自由に使える」がコンセプト。外の人がふらっと来てもOKというちょっと変わったビルは、どうして生まれたのか。ブランドマネージャーのダビドバ・ナタリアさんと、管理本部の岡野宏さんに話をうかがった。

築40年以上の古いビルをリノベーションした「Nagatacho GRID」。
company profile

株式会社ガイアックス

業種:ソーシャルメディアサービス事業、シェアリングエコノミー事業、インキュベーション事業

創立年:1999年3月

入居時期:2017年1月

社員数:120名(連結・正社員 2018年3月現在)

一般的なオフィスビルから、とにかく尖った物件へ。

ガイアックスがオフィスを移転したのは、2017年1月。それまでは、五反田のごく一般的なオフィスビルに入居していたが、「どうせ引っ越すなら会社のリブランディングにも使おう」ということで、当初は倉庫や廃校など、とにかく尖った物件を探していたそう。

しかし、あるにはあるが駅から遠かったり、大きすぎてコーディネートしづらかったり。そんななかで、永田町にあるリノベーションされた1軒のビルと出会った。

「サイズもぴったりだし、窓がたくさんあって光もたくさん入る。東京のど真ん中で、すごく駅にも近い。リノベーションもニューヨークのインダストリアル風のスタイルで、すぐにこれ! って」(ナタリアさん)

「ほぼビル1棟まるまる借りられて、共用部なども自由にコーディネートできるし、スケルトン状態だったので一から考えられる。私たちがやりたいことに、とてもマッチしていたんです」(岡野さん)

ガイアックス ブランドマネージャーのダビドバ・ナタリアさんと、管理本部の岡野宏さん。

“Happy at Work” 社員が幸せになるオフィス。

ここNagatacho GRID(永田町グリッド)は、地下1階から地上6階まで、全部で7フロア。ガイアックスの本社のほか、シェアオフィスにコワーキングスペース、イベントスペースやカフェなどを備えている。同社がシェアリングエコノミー事業に注力していることもあって、ビルのすべてが「シェア可能」というのがコンセプト。

「キーワードは“Happy at Work”。社員が幸せになるオフィス。カフェテリアだったり、キッズスペースだったり、保育園にジム、シェアキッチン……。最初はコストを考えずに夢をふくらませて。最終的には80%くらいは実現できたかな」(ナタリアさん)

引っ越しにあたっては、総務だけでなくブランディングのメンバーも入れたプロジェクトチームを設立。アンケートなどで社員の意見を聞くことはもちろん、社外のデザイナーや不動産屋など、関係者を集めたブレストを行い、具体的なプランに落としていった。

「フロアごとに、いろんな使い方ができるマルチスペースにしたかったんです。たとえばイベントスペースは、レイアウトを変えれば、ファッションショーからフィンテックのカンファレンスまで何でもできる。イベントがないときにはコワーキングスペースとしても使えます」(ナタリアさん)

新しい働き方を実践するコワーキングスペース「MIDORI.so」(5階)。
MIDORI.soには、フリーアドレス席、グループ席ほかラウンジやキッチンも。
ガイアックスの本社「Base」(2階)。リモートワークも副業もOK。
3階の「Labs」、4階の「Garege」(写真)には、シェアオフィスや会議室も。

体験し、発信し、シェアリングエコノミーを変えていく。

とはいえ、永田町という場所とシェアリングエコノミーは、どうも結びつきにくい。でも「これを渋谷でやったら当たり前、逆に永田町でやったら目立つじゃないですか」とナタリアさん。

「シェアリングエコノミーって、法律的な観点も必要だし、日本という国に受け入れられるのかという話が出てくる。永田町は日本の中心だし、この場所でシェアが体験できて、このビルから発信していければ、インパクトが生まれるんじゃないかと。ここから変えるんだ、変わるんだくらいのイメージですね」(岡野さん)

ビルの中には、ガイアックスが運営するシェアオフィスのほか、MIDORI.so(みどり荘)が運営するコワーキングスペースもあって、バリエーションも多彩。

「誰でも入居できるようにしたかったので、ひとりで手ぶらで入れるコワーキングスペースもあるし、ちょっと成長したら小さいブースを借りる。さらに大きくなってシェアオフィスに引っ越すっていう」(ナタリアさん)

「いつも『来て空いてたら、どこでも使っていいよ』と言っているんです。それは社員だけじゃなくて、シェアオフィスのメンバーもそう。もっと言うと外の人がふらっと来てもいい。みんなに開放しちゃっているので、正直誰がいるのかわからないんですよ(笑)」(岡野さん)

もちろん、オフィス部分にはIDがないと入れないなど、セキュリティについてはかなりシビアに考えている。ただ、基本的にはオープンスペースであることを周知しているため、大きな問題は起こらないそう。

地下にある「Space0(スペースゼロ)」では、さまざまなイベントを開催。
ワークスペースにもなる、最大200人収容のフリースペース「Attic」(6階)。
「Attic」内のサロンに併設されたキッズルーム。
屋上「Cloud9」では、コミュニティガーデンのプロジェクトが進行中。

みんなが勝手にやりはじめることで「文化」ができる。

とはいえ最初は、本当に自由に使っていいのか、戸惑っていた人も多かったそう。また、会議室が足りないとか、となりに誰がいるのかわからないといった不満もあった。

「シェアすると当然、自分たちのスペースが減ることになりますよね。でも、そもそもの前提として、予約してまで使わないといけない場所って本当にあるのかなと考えて。だからミーティングも、なるべくオープンな場所でしていこうよって」(岡野さん)

反対に、勝手にやりはじめることで「文化」になっていくケースもある。たとえば、地下のイベントスペースに、引っ越して間もなく誰かがお酒を持ち込んだ。するといつしかバーカウンターにお酒が並びはじめて、今ではボトルキープがたくさん。

「こういうイベントやりましょうとか、こういう使い方どうですかっていう反応も増えてきて、GRIDは自分のものだよ、ってわかって楽しんでくれてる。イベントに参加したり、キッチンでご飯を食べたり、子どもを連れてきて一緒に仕事をしている姿を見ると、うまくいったなって感じてすごくうれしいです」(ナタリアさん)

ビルの1階には「tiny peace kitchen」(写真)ほか、ドーナツ屋「HOCUS POCUS」も。

「よくわからないけど、とにかく面白すぎます」と言われたい。

最近では、GRIDの運営チームが中心になって、ビルの中で行われるイベントやランチ会などの情報を、すべての人に発信している。それが徐々にうまく回りはじめ、コミュニティもできつつあるという。

ガイアックスでは、働き方は各事業部に任せられていて、基本リモートワークの部署もあれば、固定席に毎日集まる部署もある。中には、リモートワークの部署に所属しているのに、GRIDが楽しいから毎日来るようになったというメンバーもいるそう。

「このビルは、いろんな人が集まるマルチスペース。だから、イベントはどんどんやっていきます。政治家から主婦、起業家や学生などが集まって、社会課題をディスカッションする場所もつくりたい。一番ほしいのは『どういうビルかよくわからないけど、とにかく面白すぎます』っていう反応ですね」(ナタリアさん)

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